卒園してからも手紙をくれる幼稚園の先生
私が通っていた幼稚園は、1学年1、2クラスの園でした。おそらく先生方は担任でなくても、園児のほとんどを把握しており、いつも明るく温かく見守ってくれていたなと記憶しています。私は特に悩みや問題なく、その幼稚園を卒園しました。小学生になって、幼いころから母親によく本を買い与えられていた私は、自分から図書館に通い、よく本を読むようになりました。ある日私の母が幼稚園に妹を迎えに行った際、私が最近本が好きであることを、何気なく先生に話したそうです。すると後日、その先生が私宛の手紙を母に渡して下さったのです。手紙にはきれいな字で、私がよく本を読んでいると聞いて嬉しいこと、「サンタクロースっているんでしょうか」という本をおすすめしたいということが書かれていました。おすすめされた本は、大人になった今でも読みたくなるお話ですが、当時の私が読んでも、子供ながらに素敵だなと思える本でした。手紙を下さった先生が私の担任だったのは、年少の1年間だけです。素晴らしい本を紹介されたことも嬉しかったですが、たくさんの園児の中の1人である私を、卒園後も気にかけて下さり、丁寧に手紙を書いて下さったことに、心が温かくなりました。現在、私は地元を離れており、さすがにその先生ももう園で働いていらっしゃらないかもしれませんが、忘れられない思い出です。