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娘と参加した幼稚園のリンゴ狩り

娘が幼稚園に入った年の秋、親子で参加するリンゴ狩りの連絡がありました。大抵のお母さんは行事を楽しみに待つと思いますが、私は人付き合いが苦手で孤立するのが常だったので、大勢が集まるこんな場は憂鬱でした。更に娘は喘息でよく休んでいて仲良しのお友達もおらず、その日は二人静かにリンゴ狩りかと寂しく思っていたのです。娘のことを考えるとまさか不参加というわけにもいかず、当日を迎えました。案の定あちらこちらにママ友とその子供達のグループが形成され、皆楽しそうに大盛り上がりでした。どこにも混ざれず、少し悲しい気持ちで娘とリンゴを採っていた時のことです。担任の先生が明るく晴れやかな様子で、私達に話しかけてきました。「今日はお天気が良くて、本当に素敵な日になりましたね」とニコニコし、体裁を気にすることもなく大きな口でリンゴをがぶり。果汁で手や顔をベタベタにしながら「お母さんとAちゃんもやってみて、美味しいから」と私達にも勧めました。そこからは3人でリンゴを丸かじりし、汚れた顔を見合いながら笑って過ごしました。そのうち先生は単独でいる親子をさり気なく集め、自分が中に入ることで仲良くできるように配慮して去って行きました。おかげでその日は本当に楽しくて、こんな大勢のイベントで良い思い出ができたのは初めてでした。その時の先生の温かい笑顔や明るく照らされたリンゴの木々、日頃は大人しい娘のはしゃいだ顔、何年経った今もありありと目に浮かぶのです。素敵な先生に出会えて幸せでした。