「保育士の仕事は体力勝負」。これは、多くの人が抱くイメージであり、実際に長年この仕事に携わってきたベテラン保育士ほど、その言葉の重みを実感しているかもしれません。若い頃は、一日に何度も子どもを抱き上げ、全力で鬼ごっこをし、持ち帰り仕事で夜更かしをしても、翌日には元気に子どもたちを迎え入れることができた。しかし、年齢を重ねるにつれて、同じように動くのが難しくなり、疲れが抜けにくくなったと感じるのは、ごく自然なことです。しかし、だからといって、保育士としてのキャリアを諦める必要は全くありません。体力的な衰えは、長年の経験によって培われた「知恵」と「技術」で、十分にカバーすることができるのです。ここでは、定年後も現場で輝き続けるベテ長年保育士が実践している、体力の壁を乗り越えるための秘訣をご紹介します。 まず大切なのが、身体的な負担を軽減する「省エネ保育術」を身につけることです。例えば、子どもの抱き上げ方一つとっても、腕の力だけで持ち上げるのではなく、膝をしっかりと曲げて腰を落とし、体全体の力を使うことで、腰への負担を劇的に減らすことができます。また、全てのことを一人で抱え込まず、若い職員と上手に役割分担することも重要です。体力が必要な外遊びは若手に任せ、その間に自分は室内で絵本の読み聞かせや製作活動の準備をする。逆に、経験がモノを言う保護者対応や、複雑な事務作業は自分が引き受ける。このように、互いの強みを活かしてチームとして連携することで、園全体の保育の質も向上します。近年普及が進むICTシステム(保育支援システム)を積極的に活用し、連絡帳の記入や指導計画の作成といった事務作業を効率化することも、体力を温存する上で非常に有効です。 体力の低下以上に、ベテラン保育士の大きな武器となるのが、経験によって培われた「心の余裕」です。新人や若手の頃は、子ども同士の些細なトラブルや、保護者からの予期せぬ質問に、一喜一憂し、精神的に疲弊してしまうことも少なくありませんでした。しかし、長年の経験を積んだ今、多少のことでは動じない、ドッシリとした安定感が身についているはずです。「こういう時は、こう対応すれば大丈夫」「この子のこの行動は、こういう気持ちの表れだな」。過去の経験の引き出しが、目の前の出来事に対する的確な判断と、落ち着いた対応を可能にします。この精神的な安定感は、子どもたちに安心感を与え、保護者からの絶大な信頼にも繋がります。体力的な瞬発力では若手に敵わなくても、この「心の持久力」こそが、ベテラン保育士の最大の価値なのです。 もちろん、その価値を発揮し続けるためには、資本である自分自身の「健康管理」が何よりも不可欠です。バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を習慣づけること。特に、ウォーキングやストレッチは、心身のリフレッシュにも繋がり、無理なく続けられるのでおすすめです。そして、質の良い睡眠を確保し、その日の疲れはその日のうちに取り除くこと。オンとオフの切り替えを意識し、仕事から離れて趣味に没頭する時間や、心からリラックスできる時間を持つことも、メンタルヘルスを保つ上で非常に重要です。また、年齢を重ねると、自分では気づかないうちに体の不調が進行していることもあります。定期的に健康診断を受け、自分の体の状態を客観的に把握し、必要であれば早めにケアをすることも、長く働き続けるための大切な投資です。体力は、年齢とともに変化していくもの。その変化を悲観的に捉えるのではなく、今の自分にできるベストな働き方を探求し続けること。そのしなやかな姿勢こそが、あなたを、いつまでも子どもたちに愛され、現場に必要とされる、輝く保育士であり続けさせてくれるのです。
60代でも輝ける!ベテラン保育士が体力の壁を乗り越える秘訣