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医療保育士になるためのロードマップ必要な資格とスキルセット
病と闘う子どもたちの心に寄り添い、その成長を支える医療保育士。その専門性の高い仕事に就くためには、どのような道を歩み、どのような力を身につける必要があるのでしょうか。医療保育士への道は、資格取得という土台の上に、医療と保育の両分野にまたがる専門知識と、深い人間性を要するスキルを積み上げていく、長く、しかしやりがいに満ちた道のりです。ここでは、医療保育士を目指すための具体的なロードマップを解説します。保育士のやりがいとは まず、このキャリアの出発点となるのが「保育士」の国家資格です。これは、子どもの発達や心理、保育原理に関する体系的な知識を持つ専門職であることの証明であり、医療保育士の求人に応募するための、ほぼ必須の資格要件となります。保育士養成校で学ぶか、国家試験に合格することで取得できます。この保育士資格という基盤の上に、さらに専門性を上乗せしていくことになります。 医療の現場では、保育の知識だけでは不十分です。そのため、自身の専門性を高め、客観的に証明する上で非常に有効なのが、一般社団法人日本医療保育学会が認定する「医療保育専門士」という資格です。この資格を取得するには、保育士資格を持ち、医療機関等で3年以上の実務経験を積んだ上で、学会が定める研修を受講し、試験に合格する必要があります。病児・障がい児保育、子どもの権利擁護、プレパレーション、多職種連携など、医療保育に特化した高度な知識と技術を習得していることの証となり、採用やキャリアアップにおいて大きな強みとなります。 必須ではありませんが、持っていると非常に有利になる資格もあります。その筆頭が「看護師」免許です。保育と看護、両方の視点から子どもを看ることができる「ダブルライセンス」の人材は、子どもの身体的な状態変化にいち早く気づき、医学的根拠に基づいたアセスメントができるため、医療現場では極めて貴重な存在です。また、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の資格は、複雑な家庭環境を抱える子どもの背景を理解し、家族全体を支援するソーシャルワークの視点を、「臨床心理士」や「公認心理師」の資格は、子どもの心の深い問題にアプローチする心理学的な専門性をもたらしてくれます。 しかし、資格というハード面以上に、医療保育士には内面的なソフトスキルが強く求められます。第一に、子どもの言葉にならないサインを読み解く、鋭敏な「観察力」です。表情、声色、遊び方、食欲の変化など、些細な情報から子どもの心身の状態を察知し、必要なケアを導き出す力が不可欠です。第二に、極めて高度な「コミュニケーション能力」。子どもや保護者はもちろん、医師、看護師、理学療法士、ソーシャルワーカーなど、様々な専門職と円滑に連携し、チームの一員として機能するための力が求められます。相手の専門性を尊重しつつ、「保育」の専門家として、子どもの代弁者として、自分の意見を的確に伝える必要があります。 そして何より、この仕事には、強い「精神力」と「共感力」が不可欠です。子どもの苦しむ姿や、時には死という厳しい現実に直面することもあります。そうした状況でも、プロフェッショナルとしての冷静さを保ち、自分自身の感情をコントロールする強さが求められます。同時に、子どもや家族の痛みや悲しみに深く寄り添い、その心を受け止める温かさもなくてはなりません。限られた環境の中で「楽しい」を生み出す「創造性」や、予期せぬ事態に臨機応変に対応できる「柔軟性」も、日々の業務の中で常に試されるスキルです。医療保育士への道は、資格を取得して終わりではありません。小児医療や心理学に関する最新の知識を貪欲に学び続け、そして、一人の人間として成長し続ける謙虚な姿勢こそが、この尊い専門職への道を切り拓いていくのです。
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学童保育の求人応募前に知るべき仕事の「本音」と覚悟
学童保育の求人広告には、「子どもたちの笑顔に囲まれて、やりがいのある毎日を!」といった、明るく、楽しそうな言葉が溢れています。それは決して嘘ではありません。この仕事には、他では味わえないほどの感動と喜びに満ちた瞬間が、確かに存在します。しかし、その輝かしい側面にだけ目を向けて安易に飛び込んでしまうと、現場の厳しい現実に直面し、「こんなはずではなかった」と早期に離職してしまうことになりかねません。ここでは、求人票の裏側にある、この仕事のリアルな「大変さ」と、それでもなお多くの指導員が仕事を続ける理由である「本当のやりがい」について、本音で語ります。 保育士という資格職はエンゲージなどのまず、学童保育の仕事が「きつい」と言われる理由から見ていきましょう。一つは、純粋な「肉体的疲労」です。小学生の有り余るエネルギーは、大人の想像を遥かに超えます。校庭で一緒にドッジボールや鬼ごっこで走り回り、時には喧嘩の仲裁で大きな声を出す。一日中、気を張り詰めて動き回るため、体力的な消耗は想像以上です。二つ目は、「精神的疲労」です。子どもの命を預かるという責任の重圧は、常に肩にのしかかります。ささいな子ども同士のトラブルが、保護者を巻き込んだ大きな問題に発展することも少なくありません。様々な価値観を持つ保護者からの要望や、時には厳しいクレームに対応する中で、精神的にすり減っていく指導員もいます。さらに、職員間の人間関係や、サービス残業、持ち帰り仕事が常態化している職場環境も、ストレスの大きな要因となります。 そして、この仕事の最も難しく、そして深い部分が、子どもたちの「心のケア」です。学童に通う子どもたちの中には、家庭に複雑な事情を抱えている子や、学校での友人関係に悩んでいる子、発達に特性があり、集団生活に馴染むのが難しい子も少なくありません。そうした子どもたちの心の叫びを敏感に受け止め、一人ひとりに寄り添い、その子の「安全基地」となることは、非常に高い専門性と、底なしの忍耐力を要します。指導員の何気ない一言が、子どもを深く傷つけてしまうこともあれば、逆に、その子の人生を支える光となることもある。その責任の重さに、時に押しつぶされそうになることもあるでしょう。 では、なぜ、これほどまでに大変な仕事に、多くの指導員は情熱を注ぎ続けるのでしょうか。それは、この仕事でしか得られない、計り知れない「やりがい」があるからです。それは、子どもの「成長」という、最も尊い瞬間に立ち会える喜びに他なりません。昨日まで恥ずかしがって挨拶もできなかった子が、自分から「先生、さようなら!」と言ってくれた日。友達と喧ました子が、自分の非を認めて「ごめんね」と謝れた瞬間。小さな成功体験を積み重ね、自信をつけていく子どもの姿を間近で見守れることは、何物にも代えがたい感動を与えてくれます。 そして、子どもたちや保護者から寄せられる、「ありがとう」という言葉の重みです。悩みを打ち明けてくれた子から「先生に話して良かった」と言われた時。保護者から「先生がいてくれるから、安心して仕事ができます」と感謝された時。自分の存在が、誰かの支えになっているという確かな実感は、日々の疲れを吹き飛ばしてくれるほどの力を持っています。学童保育は、子どもたちにとって、家庭でも学校でもない「第三の居場所」。その居心地の良い「第二の家」を、自分の手で作り上げられたという達成感は、指導員としての大きな誇りとなります。 学童保育の求人に応募するということは、この光と影の両方を引き受けるという「覚悟」を決めることです。大変さを理解した上で、それでもなお、子どもたちの未来のために力を尽くしたいと心から思えるか。その覚悟を持って現場に立てた時、あなたはきっと、この仕事の本当の素晴らしに出会うことができるはずです。